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☆06/07/12 UP☆

 

◆ 一番星 ◆

「あ、一番星。」
「え?どこどこ?」

一条は爪先立ちをして空を見渡した。
イヤいくら背伸びしても変わらんだろ…。
ちょっとバランスを崩しオレの腕の裾をつかむ。

「どこよ?」
早く教えて!とばかりにオレの顔を見上げる。
星は逃げやしないよ、お前と違って。

「あそこだよ、ホラ。」
指差す方向にはもう二つ目の星が見えていた。
でも星を見つけた一条は満足そうな笑みを浮かべた。

「一番星って、なんかイイよね♪」
今日は機嫌がいいらしい。

そんなに星を見るのが嬉しいのかね〜?
オレは今の笑顔の方が…。


太陽は身を隠し、残された光は街を紅く染め、夜を導く。


一条はオレの裾をつかんだまま
まだ背伸びして星を見ている。

いつもより顔が近い。

今が夕方で良かった。
顔が少し赤いのがバレなくてすむ。

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