■ リトルカブで行こう ■     こたま

 

「海!海に連れてって!!」

「あのなぁ、お前のオヤジに怒られるの俺なんだぞ?」

「い〜の、い〜の!お父さん怖がってたら結婚できないよ!」

「はぁ!? 結婚!? 何言ってんのお前!」

「だってさっきずっと一緒に居たいって言ってくれたじゃない。」

「言ったけど…。」

「アレってプロポーズでしょ?」

「えぇ!?」

「私と結婚できるなんて幸せでしょ?」

「結婚って…。」

「イヤなの!?」

「だって今日卒業式だったんだぜ?」

「だから結婚するんでしょ?」

「まだ俺ら学生みたいなもんじゃん。」

「だから卒業したじゃん!」

「お前…本気?」

「ヒドイ!プロポーズしといて、それ!?」

「いや、そんなんしたつもりないし…。」

「じゃ、別れる。」

「お前なぁ…。」

「結婚したくないの?」

「…。」

「そっか…。じゃ別れよっか。」

「その2択しかねーの?」

「他に何があるのよ!」

「今まで通りでいいじゃん。」

「もう学生じゃないのに?今まで通り?」

「ムリ?」

「無理!」

「そ〜ですか。」

「そ〜ですよ!」

「じゃぁ…」

「じゃぁ?何?」

「……。」

「聞こえない!ハッキリ言ってよ!」

「ずっと…一緒に居て下さい。」

「しょうがないなぁ〜!そこまで言われちゃね!」

「…なんか納得いかないのは俺だけ?」

「なにが納得いかないのよ?」

「…いいです。」

「じゃ〜海へ!!」

「イヤ、だから…。」

 

■あとがき■